札幌市西区の琴似エリアといえば、多くの飲食店がひしめき合う激戦区として知られています。その中でも、ひときわ長い歴史を持ち、多くのファンを惹きつけてやまないのが「ななしラーメン」です。旭川ラーメンの正統派スタイルを貫くこのお店は、地元住民から観光客まで、幅広い層に愛されています。
ななしラーメンというユニークな名前の裏には、店主の深いこだわりと、一杯の丼に込められた情熱が隠されています。この記事では、札幌にいながら本場・旭川の味を堪能できる名店の魅力を、余すことなくお届けします。初めて訪れる方も、久しぶりに行きたいと思っている方も、ぜひ参考にしてください。
ななしラーメンとは?札幌で味わえる本格旭川ラーメンの基本情報

札幌には「札幌ラーメン」という強力なブランドがありますが、そんな札幌の地で長年「旭川ラーメン」の看板を守り続けているのがななしラーメンです。まずは、お店の成り立ちや雰囲気といった基本的な情報から見ていきましょう。
旭川出身の店主が守り抜く「正統派」の味と歴史
ななしラーメンの店主は、ラーメンの聖地の一つである旭川市の出身です。札幌に移り住んでからも、自身が慣れ親しんだ故郷の味を提供したいという想いから、1990年代にこのお店をオープンさせました。当時から変わらない情熱で、旭川スタイルの特徴である「低加水麺」と「ダブルスープ」を頑なに守り続けています。
札幌で旭川ラーメンを名乗る店は少なくありませんが、ななしラーメンほど地元の人々に「本物の味」として受け入れられている店は稀です。雑誌のランキングで醤油部門のトップに輝いた実績もあり、その実力は折り紙付きといえます。流行に流されることなく、自分たちが信じる味を追求し続ける姿勢が、30年近い歴史を支える原動力となっています。
琴似駅から徒歩1分!アクセス抜群の立地と店内の様子
お店はJR琴似駅から徒歩でわずか1分という、非常に便利な場所に位置しています。駅の北口を出てすぐの飲み屋街の一角にあり、赤い看板が目印です。地下鉄東西線の琴似駅からも徒歩圏内なので、札幌市内どこからでもアクセスしやすいのが嬉しいポイントです。仕事帰りや買い物のついでにふらりと立ち寄れる気軽さがあります。
店内の座席数はカウンターのみの8席程度と、決して広くはありません。しかし、そのこぢんまりとした空間こそが、ラーメンと真剣に向き合うのに最適な環境を作り出しています。厨房からはスープの香ばしい匂いが漂い、店主のテキパキとした動きを間近で見ることができるライブ感も、このお店の楽しみの一つです。清潔感がありつつも、どこか懐かしい昭和の面影を残す雰囲気が、訪れる人の心を落ち着かせてくれます。
「ななし」という店名に込められた意外なエピソード
「ななし」という珍しい店名の由来について、気になっている方も多いのではないでしょうか。実は、開店当初に店名を決める際、店主が「名前なんてなくても、味が良ければお客さんは来てくれる」と考えたことがきっかけだと言われています。あえて特定の名前をつけない、という潔さがそのまま店名になったのです。
このエピソードは、ななしラーメンが「名声」よりも「実質的な美味しさ」をいかに大切にしているかを象徴しています。看板を派手に掲げることよりも、一杯のラーメンの完成度を高めることに心血を注ぐ。そんな職人気質な姿勢が、店名という形になって現れているのです。今では「ななし」という名前そのものが、琴似を代表する信頼のブランドとして親しまれています。
ななしラーメンの看板!醤油ラーメンが絶大な支持を得る秘密

ななしラーメンを訪れた人の多くが注文するのが、看板メニューの醤油ラーメンです。一見するとシンプルなビジュアルですが、その中には旭川ラーメンの技術が凝縮されています。人々を虜にする味の秘密を詳しく分析していきましょう。
豚骨と魚介の旨味が調和する「ダブルスープ」の深み
ななしラーメンのスープは、豚骨や鶏ガラから取った動物系スープと、煮干しや昆布などの魚介系スープを合わせた、いわゆる「ダブルスープ」です。動物系の力強いコクがありながらも、魚介の繊細な風味が後味をスッキリとさせてくれます。この絶妙なバランスこそが、最後の一滴まで飲み干したくなる理由です。
特に醤油ダレには並々ならぬこだわりがあり、角が取れたまろやかな塩味がスープの旨味をさらに引き立てています。醤油の色は濃すぎず、透明感を残した美しい琥珀色をしています。一口飲むと、まずは醤油の香ばしさが広がり、その後に重厚な出汁の旨味が追いかけてくるような重層的な味わいを楽しむことができます。派手さはありませんが、しみじみと美味しいと感じさせる深みがあります。
旭川ラーメンの象徴!低加水の中細ちぢれ麺のこだわり
旭川ラーメンに欠かせないのが「低加水(ていかすい)麺」です。これは麺を作る際に加える水の量を少なくした麺のことで、スープを吸い込みやすいという特徴があります。ななしラーメンでは、旭川の名門製麺所から取り寄せた麺を使用しており、これぞ本場の味という食感を楽しむことができます。
中細のちぢれ麺は、スープとよく絡むだけでなく、噛むほどに小麦の豊かな香りが鼻を抜けます。茹で加減はやや硬めで提供されることが多く、パツッとした歯切れの良さが心地よいアクセントになります。時間が経つにつれて麺がスープを吸い、味わいが変化していくのも低加水麺ならではの醍醐味です。最後まで伸びにくく、しっかりとしたコシを感じながら完食できる一杯に仕上がっています。
表面を覆うラードが熱さとコクを逃さない魔法の仕掛け
ななしラーメンのスープの表面には、薄くラードの膜が張っています。これは極寒の地である旭川で、ラーメンが冷めないように工夫された伝統的な手法です。このラードの膜があるおかげで、食べ終わるまでスープは熱々の状態を保ち続けます。冬の寒い時期に訪れると、この熱さが体中に染み渡るのを感じることができるでしょう。
また、ラードは単に保温するだけでなく、スープにさらなるコクと甘みを与えてくれます。動物系の油が加わることで、魚介の風味と醤油のキレがよりマイルドになり、全体のまとまりが格段に良くなります。油っこいと感じることはなく、むしろこのラードがあるからこそ完成される味わいです。レンゲでスープを掬うたびに立ち上る香ばしい湯気が、食欲を一層かき立ててくれます。
丼を覆い尽くすほど大きな極薄チャーシューの満足感
多くのファンが絶賛するのが、丼の半分以上を覆い尽くすほどの大きなチャーシューです。ななしラーメンのチャーシューは、あえて薄切りにスライスされています。これには理由があり、薄くすることでスープの熱が通りやすく、また麺と一緒に口に運んだときに完璧な一体感が生まれるように計算されているのです。
このチャーシューは口の中でホロリと解けるほど柔らかく、肉の旨味がしっかりと閉じ込められています。脂身の甘さと赤身の肉々しさが程よく混ざり合い、スープに浸して食べることで最高のご馳走へと進化します。デフォルメで2枚入っていることも多いため、1枚はそのまま、もう1枚は麺を巻いて食べるという楽しみ方もおすすめです。シンプルながらも贅沢な気分にさせてくれる名脇役と言えます。
ななしラーメンのチャーシューは、注文を受けてからスライサーでカットされることがあります。このひと手間が、乾燥を防ぎ、最高のしっとり食感を生み出しています。
醤油だけじゃない!塩や味噌など通を唸らせるメニュー紹介

看板は醤油ラーメンですが、ななしラーメンの凄さは他のメニューの完成度にもあります。塩や味噌もそれぞれ独自の魅力を持っており、リピーターの中には「実は塩が一番好き」という声も少なくありません。ここでは各メニューの魅力に迫ります。
スープの純粋な旨味を堪能できる「塩ラーメン」
ななしラーメンの塩ラーメンは、スープのクオリティを最もダイレクトに感じることができる一杯です。醤油の風味が加わらない分、ダブルスープの出汁の濃さが際立ちます。見た目は白濁したパイタン(白湯)のような色味をしていますが、口当たりは非常に滑らかで、驚くほどスッキリとした味わいです。
塩加減も絶妙で、しょっぱさを感じさせることなく、素材の甘みを引き出しています。煮干しの香りがふわりと鼻をかすめ、豚骨のコクが舌の上を優しく包み込む感覚は、塩ラーメンならではの体験です。シンプルだからこそ誤魔化しが効かない、店主の自信が伺える逸品といえるでしょう。こってりとしたものが苦手な方や、出汁の旨味をじっくり味わいたい方には、ぜひ一度試していただきたいメニューです。
濃厚ながらも後味スッキリな「味噌ラーメン」の魅力
札幌といえば味噌ラーメンのイメージが強いですが、ななしラーメンの味噌は一味違います。旭川スタイルのベースに、コクのある味噌を合わせることで、札幌のそれとは異なるオリジナリティ溢れる一杯に仕上がっています。甘めの味噌を使用しており、まろやかで深みのある味わいが特徴です。
特筆すべきは、濃厚な味噌の風味がありながらも、やはり後味がしつこくない点です。野菜の旨味が溶け込んだスープは非常にマイルドで、麺との相性も抜群です。卓上のコショウを少しかけることで、味が引き締まり、最後まで飽きることなく楽しむことができます。がっつりとした満足感を求めつつも、上品な後味を求める欲張りなニーズを満たしてくれる一杯です。
ライスとの相性も抜群!サイドメニューとの楽しみ
ななしラーメンの濃厚で旨味たっぷりのスープは、白いご飯との相性が非常に優れています。特に醤油や味噌を注文する際は、小ライスを一緒に頼むのが通の楽しみ方です。大きなチャーシューをオン・ザ・ライスして、スープを少しかけて食べれば、自分だけのチャーシュー丼が完成します。
また、サイドメニューとして提供されている「手作り餃子」も人気があります。小ぶりで食べやすいサイズながら、中からはジューシーな肉汁が溢れ出します。皮の焼き目が香ばしく、ラーメンの合間に食べるのに丁度よいアクセントになります。ランチタイムにはライスがセットになるお得なサービスもあるため、お腹を空かせて訪問し、フルコースでななしラーメンを堪能するのも良いでしょう。
【おすすめの組み合わせ】
1. 王道の醤油ラーメン + 小ライス(チャーシュー巻き用)
2. あっさり派なら塩ラーメン + 手作り餃子
3. がっつり派なら味噌ラーメン + ライス
ななしラーメンを快適に楽しむための訪問ガイドと注意点

人気店であるななしラーメンを訪れるにあたって、いくつか知っておくと便利なポイントがあります。スムーズに入店し、最高の状態でラーメンを楽しむためのガイドをまとめました。
行列や待ち時間は?おすすめの訪問時間帯
ななしラーメンは、ランチタイムを中心に非常に混雑します。席数がカウンターのみで限られているため、お昼休みの時間帯には店外まで列ができることも珍しくありません。しかし、ラーメン店らしく回転は比較的早いため、数人待ちであれば10分から15分程度で席に案内されることが多いようです。
混雑を避けたいのであれば、開店直後の11:30や、ランチのピークを過ぎた14時以降が狙い目です。また、土日祝日は通し営業をしていることもあるため、夕方などの隙間時間を狙うのも賢い選択です。逆に、閉店間際はスープが無くなり次第終了となる場合があるため、余裕を持って早めの時間に訪問することをおすすめします。
駐車場はあるの?お車でのアクセスについて
駅近の好立地ということもあり、お店専用の広い駐車場はありません。しかし、車で訪れる方も安心してください。周辺にはコインパーキングが多数点在しているほか、提携している駐車場を利用できる場合があります。特に「琴似商店街駐車場」などは収容台数も多く、お店からも近いため便利です。
駐車券のサービス内容は時期によって変更される可能性があるため、訪問時にスタッフの方に確認するのが確実です。琴似エリアは一方通行の道路も多いため、慣れていない方は事前にナビなどで周辺のパーキング情報をチェックしておくと、スムーズに駐車して入店できるでしょう。
食券制の導入や注文時のちょっとしたポイント
現在、ななしラーメンでは入り口近くに設置された券売機で食券を購入するスタイルが定着しています。入店してまず食券を買い、それをカウンター越しにスタッフに渡す流れです。メニュー構成がシンプルなので迷うことは少ないですが、あらかじめ醤油・塩・味噌のどれにするか決めておくとスムーズです。
麺の硬さについても、要望があれば柔軟に対応してくれることが多いのが嬉しい点です。デフォルトでもしっかりとしたコシがある低加水麺ですが、よりパツパツとした食感を楽しみたい方は「硬め」でオーダーするのも一つの手です。また、トッピングのネギやメンマの増量なども選べるため、自分だけの一杯にカスタマイズして楽しみましょう。
口コミから紐解く!ななしラーメンが地元ファンに愛され続ける理由

ななしラーメンがこれほどまでに長く愛されているのは、単に「美味しい」からだけではありません。口コミサイトやSNSを見ると、ファンたちが熱く語る「愛される理由」がいくつか浮かび上がってきます。
飽きのこない「毎日食べられる一杯」という安心感
口コミで最も多く見られるのが「いつ食べてもホッとする味」「飽きがこない」という言葉です。最近のラーメン界では、非常に濃厚なスープや、奇抜なトッピングを売りにするお店が増えています。しかし、ななしラーメンはあくまで王道。派手なインパクトよりも、バランスの良さと安定感を重視しています。
「今日は何を食べようかな」と迷ったときに、真っ先に候補に上がる。そんな日常に寄り添った美味しさが、リピーターを離さない最大の理由です。過度な味付けをせず、素材の持ち味を丁寧に引き出したスープは、年齢を問わず誰にでも受け入れられる優しさがあります。この「変わらない安心感」こそが、ななしラーメンの最大の武器と言えるでしょう。
接客の温かさとアットホームな雰囲気の魅力
職人気質の店主と、それを支えるスタッフの方々の温かい接客も、お店の魅力の一部です。決して過剰なサービスがあるわけではありませんが、一人ひとりのお客さんを大切にする気持ちが、さりげない声掛けや丁寧な動作から伝わってきます。初めて訪れる人でも気後れすることなく、心地よく食事を楽しめる雰囲気があります。
常連さんと店主が時折交わす軽い会話は、地元のコミュニティの一部のような温かさを感じさせます。カウンター越しに繰り広げられるその風景は、まさに「街のラーメン屋さん」そのもの。お腹を満たすだけでなく、心も少し温かくなって帰ることができる。そんな人間味のある場所だからこそ、多くの人が何度も足を運んでしまうのです。
札幌にいながら旭川の風を感じられる貴重な存在
札幌はラーメンの激戦区ですが、実は純粋な旭川スタイルの名店はそれほど多くありません。ななしラーメンは、札幌という土地で旭川の食文化を伝え続ける「大使館」のような役割を果たしています。旭川出身者が「地元の味が恋しくなったらここに来る」と言うほど、その再現度は高く評価されています。
旅行者にとっても、札幌にいながら移動時間をかけずに本格的な旭川ラーメンを味わえるのは大きなメリットです。札幌ラーメン(味噌・太麺)と旭川ラーメン(醤油・細麺)の違いを、ななしラーメンで体感してみるのも面白いでしょう。地域の枠を超えて愛される一杯が、琴似の街には今日も静かに、力強く存在し続けています。
| メニュー | 特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| 醤油ラーメン | 王道のダブルスープとラードのコク | 初めて訪れる方、旭川の味を知りたい方 |
| 塩ラーメン | 出汁の旨味が際立つ、透明感のある味 | あっさり系が好きな方、出汁重視の方 |
| 味噌ラーメン | まろやかで奥深い、旭川流の味噌 | 札幌とは違う味噌を試したい方 |
ななしラーメンのまとめ:札幌・琴似を代表する名店で至福の一杯を
札幌市西区・琴似で長年愛され続けているななしラーメンは、店主の旭川への想いと職人魂が詰まった素晴らしいお店です。名前をあえて持たなかった歴史が物語る通り、そこには宣伝や流行に頼らない、本物の美味しさがあります。
豚骨と魚介のダブルスープ、低加水のちぢれ麺、そして丼を覆う大判のチャーシュー。これら一つひとつの要素が完璧に調和した一杯は、一口食べるごとに深い感動を与えてくれます。醤油、塩、味噌、どのメニューを選んでも、その丁寧な仕事ぶりを感じ取ることができるはずです。
JR琴似駅からすぐという好立地にありながら、どこか懐かしく温かい雰囲気を持つこのお店。ぜひ一度足を運んで、札幌の地で咲き続ける旭川ラーメンの真髄を味わってみてください。一度食べれば、あなたも「名前のない名店」の熱心なファンになること間違いありません。



